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| (文中敬称略・ネタバレ無しで投稿します) 映像のハイテンションには始終驚かされ、鳥肌が何度もたった。成人してウルトラマン映画を愉しんだ事は多いが、繰返し鳥肌が立つ案件にアタるとは思わなかった。だがお話にのめり込めない。キャラのやり取りに予習が必要に思う。 本編を見ていても、物語に心が介入できない。ノリや絵作りに走りすぎているか?私が本編を不理解だった事も大きい。特異で斬新で元気なキャラがイキイキ過ごす様に、病身続きだと思っていた存在が「ISを退治したから帰るわ、風呂沸かしといて」と電話入れてきた様な気分。おさらい演出は楽しいが、喧騒にどこかのめり込めず、「皆さん元気ですね」と思う。 作品の美点を強調すると客を減らしてしまう、そこに本作の弱点を感じた。隣の美少年が幕切れるや否や「話が見えない、アイテムの解釈が早すぎて…」と変声前の美声で語る様に胸中複雑(以降碇シンジと呼称しつつここでお疲れ!) それをトイレで語らう父親(以後碇ゲンドウと名付けお疲れ様)
鎧を着込んだガリガリのパンクロッカーが鎮座しているのを眺めた様な感じ。所々で装備する秘石に魔神が降りるや「ヒャーッ」と猛演奏。穴をインパクトでどんどこ装飾、ごまかしというよりもエヴァン気なシャウティング・モンスター・アクション・ムービー?(以後ソングムービーと暫定呼称する)
それでも根室市内で「日本も特撮も国語も全部アウトなんや!」と呑んだくれていた所をゴジラに襲われポカンと朝を迎えた様な希望が募った。節々に仕事の丁寧さが光る。小ネタ間違い探しに留まらず、ネタがメッセージの骨を纏ってなってプスリと刺さり、物語が体内へ注射される感じで、腕っ節を垣間見た積り。 90年代に「こんな描写がウルトラで見たいな」と募っていた事が叶った事が大きい。叶えた奴が現れたのが嬉しい。 そこかしこにバイオレンス話で培ったノウハウや冗談が覗き、「G」の兄弟に出くわしたと思った。「予告編がガメラ2みたいになった」と監督がTwitterで語っていたが、今作で監督のキャラを猛烈に感じるとは思わなかったので嬉しい誤算。 マイケル富岡扮する博“荒ら”士のキャラも良く、綺麗なお姉さん軍団とお付き合いを維持する甲斐性を持ちつつも、古き良き「ロマンを追う男は永遠に子供なんだ」という人の出来た冗談が嬉しい。 鎧着込んだ女性隊員と薄着の綺麗なお姉さん軍団の対峙や、人間描写シーンの臨場感を入れたさりげない工夫の数々に、「舞台は地球!だから箱庭大都会で終わらせない」という製作陣営の気概を感じ嬉しい。興奮の余り隣でウルトラマン人形を翳す子供。この後しまう暇がどこまであったかと愉しい。樋口シンジ君が「北海道から来た無茶な若者にゲハラを任せた」と書いた物だったが、「神戸空港決戦」の進化版を突き付けられ「田口清隆……無茶な若者!」と独り「ダークナイト」ゴッコしつつホクホクと帰宅した次第。ちなみにオマケの使い方は未だ解りません(長文ごめんなさい!) |